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先生の声(中学受験)
- 1. SAPIXで偏差値30からの大逆転
- 2. 小5の夏から始めた中学受験
- 3. 偏差値55から海城中学合格
- 4. 基礎を徹底して偏差値55に
- 5. 国語のトレーニングで慶應普通部に
- 6. 女子学院の理科対策
- 7. 市川対策を徹底して逆転合格
- 8. 1年間で算数の偏差値が13アップ
- 9. 偏差値35からの中学受験
- 10. 最下位クラスから慶應中等部に挑戦へ
- 11. 単元を潰していって偏差値60へ
- 12. 合格率30%から早実合格
- 13. 塾の復習を徹底して半年で偏差値8アップ
- 14. 偏差値46から鎌倉学園へ
- 15. 合格率30%だった横浜雙葉に合格
- 16. 立教新座中学に向けて
- 17. 偏差値40から高輪中学合格
- 18. 偏差値46、残り2ヶ月帝京大学中学へ
- 19. 過去問が5割しか取れなかった早稲田中学に合格
- 20. 小6から受験を始めて大妻嵐山中学合格
- 1.SAPIXで偏差値30からの大逆転
- K君はSAPIXに小3から通っていましたが、クラスはAからCを行ったり来たりで、
小6の夏休み直前で、偏差値30でした。
それまで塾を信頼していたご両親も、最後の手段として家庭教師を依頼することにしたそうです。算数は、何となく公式を思い出して当てはめているだけ。しかも、公式を覚え間違えていたり、計算の段階で簡単なミスをする状況でした。
国語の漢字は、意味を全く考えず、同音異義語を当てはめてしまう状態でした。
僕はまず、計算と文章読解を指導することから始めました。
夏休みの間、算数は簡単な文章題を正確に解くこと、国語は簡単な文章の意味を正確に理解することを目的としました。
そして、塾の宿題は、取捨選択をし、必要なものだけをやるように指示をしました。
何より重要なのは基礎を固めることです。
お母さんはこのやり方を心配していましたが、お父さんは納得してくれました。
お父さん自身、予備校での授業がさっぱり分からず、自宅浪人に切り替えて基礎を固め、明治大学に合格したとのことでした。
その経験があって、応用問題ばかり解かせる段階にカリキュラムが入っている塾では、効果が上がらないという認識をなさっていたのだと思います。
塾をやめなかったのは、K君のモチベーションが下がるのを心配したからで、それは僕も賛成しました。
9月の模試では36でしたが、12月の模試で43まで上がり、クラスはかつてないEまで上がりました。
基礎トレなどを中心に、徹底して基礎を固めた成果が出たのです。
合不合テストでは偏差値が50を超えました。
計算ミスはほぼなくなり、比や割合の概念も理解できました。
結果、世田谷学園中学に合格!
後でわかったことですが、ご両親は、一時は中学受験を諦めかけたそうです。
諦めずに頑張ったK君の勝利です。
実際、指導には苦労しましたが、結果が出せて満足しています。
(芝中学、早稲田大学政経学部1年)
- 2.小5の夏から始めた中学受験
- Tさんはバレエとピアノが忙しく、中学受験を始めたのは小5の夏からでした。
栄光ゼミナールに3ヶ月ほど通ってみて、ついていけないので、小5の11月から私が指導することになりました。Tさんは小4の後半や小5の前半に習うべき単元をやっていなかったので、完全に空回りしていました。
私の指導は、小5の後半の単元をサポートしつつ、それ以前の同じ単元を穴埋めしていくというものでした。
実際、これは大変な作業です。
分数の約分・通分を教えるのに、最小公倍数まで教えなくてはなりません。
お母さんにお願いして、1回2時間の指導を3時間に増やしてもらいました。
教科は算数だけで手一杯です。
それでも小6の4月には、アタックテストで算数が35から50まで上がりました。
それから、指導範囲を国語や理科にも広げ、夏には4科目ともほぼ50以上になりました。
そこから先はもう少し上がるかなと思いましたが、現状維持が精一杯でした。
最終的には合不合テストで45~50くらいに落ち着きました。
志望校は恵泉女学園。
かなり微妙でしたが、過去問対策を十分にして、無事合格。
1年半で中堅校に合格し、Tさんも親御さんも大満足でした。
塾に加えて家庭教師が週2回でしたから、大変だったと思います。
今はまた、Tさんはバレエとピアノをやっているそうです。
(東京女学館中学、青山学院大学文学部3年)
- 3.偏差値55から海城中学合格
- M君は早稲田アカデミーに通っていました。
志望校は海城、巣鴨、本郷、城北といった男子進学校。
偏差値は55前後でした。
僕が海城出身だったこともあってか、次第に海城に行きたい気持ちが強くなってきたとのことでした。
しかし55では海城は難しい。
僕はこう言いました。「塾のない日に5時間勉強したら海城通るよ。4時間じゃダメだよ。」
6年の秋のことです。
M君がすごいのは、次の日から1日も欠かさず、塾のない日に5時間勉強したことです。
お母さんはビックリしていました。
僕の週1回の指導はもちろん、その5時間の勉強の効果が絶大でした。
最後の合不合テストでは、60の大台にのりました。
この時期に偏差値を5上げるのは容易ではありません。
M君は死に物狂いで勉強しました。
海城の過去問を分析し、M君の弱点を1つ1つ潰していきました。
意欲は十二分なので、指導は楽しいものでした。
海城の算数は、コツをつかめれば、それほどではありません。
むしろ国語が心配でしたが、M君は毎日1題国語を解いていて、実力をつけました。
もう一度試験があったら、偏差値は65くらいになっていたと思います。
もちろん合格でした。
算数は9割がた取れたそうです。
もしも、2月3日に筑波大附属駒場中学を受けていたら・・・・・・。
そんな感じの子でした。
今、M君は海城中学のトップの成績だとのことです。
たった1年前は偏差値55だったのに。
ここまで伸びる子を教えられて、僕も嬉しいです。
(海城中学、早稲田大学法学部2年)
- 4.基礎を徹底して偏差値55に
- Nさんは日能研に小3から通って、偏差値は以前は50台、5年の終わりから下がり始め、小6の春には40台でした。
計算や漢字など、コツコツ頑張りよくできるのですが、いま一つ伸び悩んでいました。
正答率が60%以上の問題は、ミスなくよくできるのです。
しかし、それ以下の問題となると手が出ないのです。
算数をみていると、一行問題はミスなくできても、応用問題ができないのです。
解答用紙を見ると、線分図や面積図などが、多少複雑になると描けないのです。
Nさんは、算数を試行錯誤して解く習慣がなかったのです。
算数は小6になると、基礎問題でも多少の思考力を求められます。
その作業ができていなかったのです。
私の指導は、文章を図にさせることを徹底しました。
初めは、Nさんも戸惑っていました。
算数は、数字を公式に当てはめて解くものだと思っていたからです。
5年の基本問題ならそれで上手くいきます。
しかし、6年では通用しません。
その壁を乗り越えると、偏差値50を超えるのです。
真面目な子に多いのですが、公式を覚えて作業的に解こうとする子みられます。
それでは、6年になると点数が取れないのです。
Nさんは国語が得意だったので、算数が上がればあとは楽でした。
日能研では理科・社会はメモリーチェックという教材を使っていますが、Nさんはそのテキストを5回も反復しました。
最後の模試では、4科すべて53以上。
偏差値は55になりました。
特別難しい問題はやった訳ではありません。
基礎を完璧に解けるようにしただけです。
結果、第一志望の洗足学園中学に合格。
人気校に合格できて、親御さんも満足していました。
算数は記憶力だけではなく、考える力が必要なのです。
(鴎友学園女子中学、慶應大学経済学部2年)
- 5.国語のトレーニングで慶應普通部に
- R君は国語が苦手。
算数は偏差値65もあるのに、国語は55前後。
自宅でほとんど国語をやっていない状態だったので、伸びないのは当然です。
早稲田アカデミーに通っていても、自宅では算数や理科ばかり。
国語の宿題はいい加減に、やるふりだけなのです。
これでは伸びません。
55あるのが不思議なくらいです。幸い、漢字や熟語などの最低限の知識分野は良くできていました。
R君の指導は、読解を徹底しました。
何となくセンスで国語を解いている様子。
論理的な思考などありません。しかし、それでは上位校には通用しません。
いくら算数で高得点をとっても、国語で足を引っ張れば、合格点には達しません。
指導中は、常に「なぜ?」「どうして?」と聞きました。
問題を論理的に突き詰めて考える習慣がなかったので、「なぜ?」「どうして?」という問いかけが、論理的思考回路を開きました。
算数が65の子ですから、思考力は十分にありました。
論理的に考えるということがどういうことかわからなかっただけです。
12月の合不合は、国語が62。4科目で64でした。
慶応普通部は、4科目均等配点なので、最後は社会の対策もサポートしました。
小学生は、自分の嫌いなことはやりたがりません。受験は弱点潰しのゲームですから、とにかく苦手を克服するのが合格への近道です。
70点を90点にするのは大変ですが、50点を70点にするのは容易です。
慶應普通部に合格できたのも、苦手な国語をつぶしたからでした。
(駒場東邦中学、東京大学文科Ⅲ類1年)
- 6.女子学院の理科対策
- CさんはSAPIXで偏差値57くらい。志望校は女子学院でした。
私が女子学院出身なので、すごく気に入ってもらえて、指導がしやすかったです。Cさんは理科・社会が弱く、特に理科はSAPIXで偏差値50強でした。
女子学院は4科とも100点なので、私が理科をみることになりました。
JGの理科は、正確で幅広い知識と、短時間で原理から答えを導く思考力を求められます。
ただし、奇問・難問はほとんどありません。
しっかり対策をとり、冷静に問題を解けば、かなり高得点は狙えます。
しかし、そうは言っても、なかなか1人で対策はとるのは難しいものです。
実際、覚える範囲は多岐に渡りますし、原理の理解も正確さが求められます。
Cさんは算数も国語もできるので、要領よくピンポイントで解説し、覚える範囲を示せば、次回までには必ずできるようになっていました。
指導は、受験直前の3ヶ月、週1回2時間でしたが、十分間に合いました。
実際、SAPIXの難関校模試では、50%ほどだった合格率が70%以上になっていました。
もともと、こまめに勉強する子なので、女子学院向きだったように思います。
Cさんはどうしても女子学院に行きたいという強い意志がありましたので、女子学院に特化しました。
受験では、理科にあまり時間を使わない方もいるかと思いますが、JGのように4科均等の配点の学校では、時間を使うべきです。
ただ、理科は1人で弱点を潰しにくい科目なので、家庭教師の指導は有効だと思います。
私自身、中学受験の時に、最後の半年ほど算数と理科の家庭教師をつけてもらいました。
(女子学院中学、東京大学理科Ⅱ類2年)
- 7.市川対策を徹底して逆転合格
- Yさんへの指導は、受験直前の2ヶ月だけでした。
市進に通っていて、偏差値は56。
志望校は市川中学。
女子の市川中学の偏差値は高いので、正直、難しいかなと思いました。
しかし、本人の気持ちは堅く、「何が何でも市川中学に行きたい」と言っていました。
お父さんもお母さんも、応援したいとのこと。
僕の指導は、残り2ヶ月間で、とにかく市川中学の過去問対策をすることでした。
僕は前年に男の子を市川中学に合格させていたので、対策はしやすかったです。
特に算数と国語は頭に入っていました。
指導では、とにかく市川中学に出やすい問題のみを解かせました。
お母さんに手伝ってもらって、社会のトレーニングをしてもらいました。
理科が心配になって、残り1月になって、もう1人理科の先生をつけてもらいました。
僕は理科が苦手なので。
僕が週2回、その先生が週1回です。
Yさんは睡眠時間の7時間以外はずっと勉強時間でした。
小学校の授業中によく寝ていたとのこと。
根性が違いました。
1月に小学校を休むのかと思っていましたが、しっかり通ったそうです。
ちなみに市川中学の問題は渋幕に比べると、それほどのレベルではありません。
出ないレベルの問題はやらない、と決めれば、短期間で対策可能です。
しかし、Yさんのような意志の強い子は、珍しいと思います。
最後の合格判定テストでは30%でした。
僕は正直、まずい、と思いました。
結果は、1月受験は不合格。
2月4日の2回目で、逆転合格でした。
本当に、大逆転の合格でした。
これは、あまり参考にならないかもしれません。
とにかく、Yさんの頑張りがすごかった。
僕の指導は「過去問を分析し、それを教え込む」の一言でした。
(渋谷教育学園幕張中学、慶應大学法学部4年)
- 8.1年間で算数の偏差値が13アップ
- Jさんの志望校は鎌倉女学院。
Jさんは日能研に通っていて、偏差値は52。
とは言っても、算数以外は55以上なのです。
算数だけが45だったのです。
受験までちょうど1年のところで、なんとか算数を伸ばしてほしいという内容でした。
日能研のテキストは解説が少なく、Jさん1人で勉強するのは難しいようです。
日能研のベストチェックを買って、それを使いました。
Jさんのレベルにはピッタリのテキストです。
実は、私も7年前に日能研に通っていて、そのときベストチェックを使っていたのです。
基礎を固めるには最適のテキストです。
レベルに合っていない勉強は空回りします。
最終的には偏差値を60近くまで上げるのが目的ですが、まずは基礎を固めて55にするのが大切です。
そのためには、ベストチェックで既に習った単元の復習が必要だったのです。
夏休み前にはベストチェックの内容を理解し、算数の偏差値は54になり、1つのステップは終わりました。
これからは、応用をやっていく番です。
基礎が固まってしまえば、応用は時間の問題です。
一つ一つ、単元を潰していくだけです。
比の利用が算数のキーです。
Jさんは比の概念を理解するのに、一夏を必要としました。
しかし、それだけの時間を使う価値はあります。
算数の応用の多くは比の考えを必要とするからです。
秋の公開模試では算数の偏差値は58。
4科目で56でした。
いよいよ、鎌倉女学院が見えてきました。
秋からは、算数だけでなく理科も見始め、4科目で60を目指しました。
残念ながら、最後の模試でも60には達しませんでしたが、合格圏内には入りました。
結果は、もちろん合格。
1年間で算数の偏差値が13も伸びたので、驚きました。
やればできる、ということです。
(横浜共立学園女子中学、立教大学理学部1年)
- 9.偏差値35からの中学受験
- M君は小学6年の春に偏差値35でした。
栄光ゼミナールに3年生から通っているのにもかかわらず、自宅学習は皆無という状態でした。
勉強意欲の極めて少ない子でした。しかし6年の5月に一念発起し、自宅で2時間くらい勉強を始めたようでしたが、完全に空回りをして行き詰っていました。
そこで、6月から僕が指導することになりました。
アタックテストで偏差値35というのは極めて深刻です。
この偏差値は、学校の補習レベルの子です。
M君は1人では勉強できないので、まず、計算に付き添う、読書に付き添う、とにかく勉強することに付き添うということから始めました。
受験勉強においては、自宅学習が基礎中の基礎です。
しかし、やろうとしても、塾の宿題を1人でできない子もいるのです。
その場合、つきっきりで勉強に付き添うしかないのです。
M君はまさにこのタイプでした。
まず、アタックテストで、偏差値45くらい取れるまでは、そうする必要がありました。
実際にM君は9月までその状態が続きました。
9月にアタックテストで、46。
合不合で40になりました。
このあたりからやっとM君は意欲がわいてきたようでした。
そして私が週2回、精一杯指導した結果、最初の頃に比べ、相当な進歩をしました。
親御さんが子供に受験を強いている、といった感じでしたが、最後にはM君もやる気が出て結果は、城西大附属に合格しました。
(西武学園文理中学、早稲田大学大学院修士1年)
- 10.最下位クラスから慶應中等部に挑戦へ
- J君はやんちゃな小学5年生でした。
SAPIXに小学3年から通っていて、クラスはAかB。
一度だけCクラスになったのが自慢という子です。親御さんの希望は、何とかEかFクラスくらいに上げてほしい、というものでした。
私は算数と国語の指導をしました。
週に1度、J君を見ていて気づいたことがあります。
それは、問題に本気で取り組まないということです。
J君は中学受験の意欲が低く、勉強を嫌々やっていたのです。
そこで私は初めに、意欲を引き出そうとしました。
中学受験のメリットを伝え、上位校に合格するのは格好良いことだとイメージさせました。
そのうち、J君は「絶対慶應に行く!」と言い始めました。
これできっかけはできました。
もともと能力の問題はなかったので、何とか6年になるころにはFクラスまで上がりました。
しかし、そこからです。
SAPIXでの偏差値は48くらい。
慶應には55は必要になります。
SAPIXは問題の質・量ともにハイレベルなので、問題をうまく取捨選択する必要があります。
小学生の子では、その取捨選択はできません。
慶應への憧れを植付けたまでは良かったものの、ここからが大変でした。
私も指導は必死にやったものの、J君は周りの子と5年までの蓄積が違います。
慶應までの道のりは甘くありません。
そこで附属校に絞って併願校を考えることにして、J君には1校だけ好きな学校を選んでもらうことにしました。
J君は慶應中等部を選びました。
そこで、2月1日に中央大附属、2日に明大明治、3日に中等部、4日に明大中野と決まりました。
J君は最後に気合を入れて勉強するようになり、SAPIXで54に、四谷の偏差値で61まで上がりました。
慶應中等部も射程県内でした。
私も全力で指導しました。
残念ながら、慶應中等部には不合格。
それ以外はすべて合格し、明大明治中学に進学しました。
多くの子がそうですが、早稲田や慶應を目指して明治や立教に行くものです。
J君も慶應を目指したから明治に行けたのです。
受験では、そういった目標設定も重要です。
J君は1年半で偏差値が20上がったわけで、私の指導した生徒で最も伸びた生徒となりました。
(早稲田大学第一文学部卒、プロ講師)
- 11.単元を潰していって偏差値60へ
- Rさんは市進で55前後の成績。
志望校は昭和学院秀英中学でした。
合格圏に到達するまではやや不足しているなといった感じでした。
Rさんはすごく真面目で、私の受験の頃より何倍も勉強していました。
私は、正直どう指導しようか迷いました。
サボっていて何かが足りないのなら成績を補うことはできます。
しかし、Rさんの勉強時間や集中力は問題ないように思えました。
そこで、私は以下のように指導しました。
秀英の配点を考えれば、算数と国語が重要です。
そこで、毎週1つに絞って単元を潰していくことにしました。
算・国1時間ずつの指導だったのですが、算数は1時間で1単元のみにしぼりました。
国語は、文章題1題に絞り、その問題を徹底的に考えるようにしました。
勉強で重要なのは、あれこれたくさん手を出さないことです。
小学生の子は、あれこれやっても頭に入りません。
1つに絞るのです。
「速さと比」なら「速さと比」のみに1時間使えばいいのです。
一見、時間がもったいなく思えますが、1つ1つ集中的に克服していくというのが実は効率的なのです。
事実、Rさんは市進の定例試験で60に達しました。
算数は62です。
受験は偏差値を上げることはもちろん重要ですが、志望校対策も重要です。
私は秀英の対策を徹底的にしました。
算数は問題が易しい分、ケアレスミスが命取りです。
確かめ算の徹底を習慣づけさせました。
Rさんは真面目な分、要領が悪いところもあったので、問題を解くコツを伝えました。
Rさんは12月の試験は残念な結果でしたが、1月の試験で合格することができました。
私は12月の試験で通ると思っていたのでちょっと意外でしたが、合格できて本当によかったと思います。
(東邦大東邦中学、早稲田大学商学部3年)
- 12.合格率30%から早実合格
- Nさんは四谷大塚で小6の9月に58でした。
志望校は早実。
正直言って、無理だと思いました。
女子の早実は65が目安です。
ただ、算数が63あったので、そこが希望でした。
早実は算・国で決まる学校なので、算数の応用を教えつつ、国語の対策を徹底しました。
中学受験の国語は、正確に速く読める子が有利です。
問題を解くテクニックはもちろん重要です。
しかし、早実レベルはテクニックだけでは対応できません。
重要なのは、実力をつけることです。
国語は、文章に書いてある内容の骨格を正確につかまないといけません。
逆に、それができれば、一気に得点は上がります。
小手先のテクニックではなく、文章の正確な理解が必要なのです。
僕の指導は、早実の過去問と同レベルの問題を、1時間かけてじっくり読み解いていくものでした。
その文章に書いてある内容を、すべて完璧に理解する。
それを徹底することです。
英語の勉強と同じです。
文中にある英単語すべてを、文法的に説明できるまで読み込めば、精読から速読ができるようになります。
国語も同じです。
中学受験の国語は外国語と同じです。
小学生の日常語ではありません。
外国語だと思って、徹底的に精読するのです。
それを繰り返せば、正確な速読ができます。
そうすれば、偏差値は60どころか70になります。
もちろんそうなるには、膨大な時間がかかります。
しかし、ある程度時間をかければ、誰でも65くらいにはなります。
Nさんは、残り4ヵ月半、真剣に取り組みました。
最後の合不合は、4科で64。(国語は63になりました。)
ほぼ50%に持ち込めました。
最後は、算数も国語も理科もみました。
1回だけの勝負なので緊張しました。
結果は、見事合格!
女子の早実は御三家レベルなので、親御さんも泣いて喜んでいました。
大逆転の合格です。
(早稲田実業中等部、早稲田大学教育学部4年)
- 13.塾の復習を徹底して半年で偏差値8アップ
- Mさんの志望校は山脇学園中学でした。
早稲田アカデミーに通っていて偏差値は38。
山脇には偏差値45以上はほしいところでした。
指導を始めたのは7月末の夏期講習中からで、受験までちょうど半年でした。
Mさんはサボっているわけではないのに塾の内容を理解できず、自宅学習が空回りしている感じでした。
そこで、塾の内容の復習につきっきりで付き合いました。
塾の説明は4割ほどしか理解できていなくて、私が残りの6割を埋める感じでした。
算数は、その場で問題を解いてもらい、できない箇所の解説を丁寧にしました。
算数は原理の理解が重要です。
問題を解く際に、原理をしっかり理解できていなければ、すぐに解けなくなります。
国語はその場で音読してもらい、文章の意味を説明してもらいました。
生徒に説明させることで、どこまで理解できているか分かるわけです。
中学校受験生は、ほとんど国語の問題をきちんと読めていません。
多くの子がビックリするくらい読めていないのが現実です。
Mさんの場合は、1題教えるのに1時間かけました。
それくらいじっくりやらなければなりません。
時間はかかりますが、少しずつ上がっていくものです。
そして、指導のない日には、5年のテキストをもう一度読ませました。
同じ文章題を何度も読むのも、重要です。
4ヵ月後の、最後の合不合では偏差値46。
山脇の合格率60%まで到達しました。
しかし、残り2ヶ月は気を引き締めないといけません。
私は過去問を分析して、山脇に出やすい問題を徹底して反復させました。
基本的に入試問題の傾向はほとんど変わりません。
過去問と同じ問題はでませんが、同じ発想を求める問題は出ます。
Mさんは真面目な子で、私の課題をよくこなしてくれました。
勉強はレベルに合ったものを反復するのが一番です。
1月の後半には、山脇の過去問が8割近く取れるようになりました。
結果は、もちろん合格。
偏差値は8上がりましたが、実際には10以上は上がったように思います。
(豊島岡女子学園中学、一橋大学社会学部4年)
- 14.偏差値46から鎌倉学園へ
- T君の指導を始めたのは小学5年の年末からでした。
ほぼ1年間かけて、鎌倉学園に合格させてほしいという依頼でした。
塾は日能研で、苦手は算数。
4科の偏差値は46、算数の偏差値は42でした。
算数の場合、小5の単元が抜けていると6年の勉強は空回りすること必至です。
鎌学を受ける以上、最終的には55にしたいところですが、まずは基礎を固めて50にもっていくことを目標にしました。
僕の立てた目標は3月までに50以上、7月までに55以上です。
そのためには、3ヶ月で基本問題を固めなければなりません。
T君は算数が嫌いでやりたがらないので、とにかく簡単な問題をやるように指示しました。
勉強は簡単な問題を確実に得点していくことが重要です。
当たり前の話ですが、正答率50%以上の問題を完答できれば、偏差値50以上です。
もちろん誰もがミスはありますが、その考えで間違いありません。
僕は、正答率40%以上の問題のみを何度も反復させました。
それ以上の問題はさせませんでした。
そして、計算ミスがないように、計算力の向上を図りました。
T君が算数を好きになれないのは、計算が面倒だからでした。
計算が面倒なのは、計算力がないからです。
したがって、計算力がつけば、算数を好きになり、算数の勉強に励むことになるのです。
事実、3月には52に、7月には56まで上がりました。
あとは、夏期講習を乗り切るだけでした。
8月にやや勉強から逃げる傾向がみられて、9月に4科で53でした。
その後、持ち直して、12月には58まで上がりました。
もちろん鎌学に合格。
実は、慶應普通部と聖光学院も受験しましたが、こちらはダメでした。
しかし、1年前は偏差値46だったわけですから、T君もご両親も大満足の様子でした。
(浅野中学、東京大学工学部3年生)
- 15.合格率30%だった横浜雙葉に合格
- NさんはSAPIXで偏差値40台でした。
小6の9月の時点で、横浜雙葉の合格率は30%。
かなり苦戦していました。
Nさんは完全に勉強が消化不良になっていて、SAPIXの勉強の量をこなしきれていませんでした。
私の指導は、問題を絞り、問題を解く考え方をじっくり理解させるというものです。
算数にしても理科にしても、問題を解く仕組みを自分の言葉で話せれば、それは本物です。
もし、それができないなら、応用問題には手は出ませんし、基礎もすぐ抜けていくでしょう。
Nさんは問題を解く作業に追われていて、自分の頭の中で理解する時間がありませんでした。
何も考えずに10問解くより、じっくり頭を使って7問解く方が良いのです。
もちろん、3問、4問では足りません。
秋になってからの指導なので、横雙の過去問を分析して、出ないレベルは一切させませんでした。
横雙の問題はフェリスに比べればそれほどではありません。
算数や理科は、原理を理解できていれば対策できます。
重要なのは、問題を解く原理をしっかりと理解することです。
Nさんは公式をあいまいに理解していて、公式に数字を当てはめる感じでした。
私は、あいまいに解かない、という指導に徹しました。
国語においても、何となく解かない、というのが必要なことです。
Nさんの指導は半年もなかったので、正直焦りはありました。
算国を中心としつつも、横雙は理社の配点も高いので、理科もみなくてはなりません。
社会は休日にお父さんに担当してもらいました。
お母さんには、毎朝、計算と漢字をチェックしてもらいました。
一家総力戦です。
最後の模試では、合格率50%。
何とかそこまでたどり着きました。
あとは気合のみです。
Nさんはおっとりした子でしたが、最後は勇ましく勉強していました。
そして、横浜雙葉合格!
5ヶ月の間、よく頑張りました。
やればできるのです。
(慶應大学文学部卒、プロ講師)
- 16.立教新座中学に向けて
- T君の志望校は立教新座中学。
埼玉県の最難関校です。
偏差値は合不合で53。
四谷のBコースの真ん中くらいの子です。
指導を始めたのは9月末からなので、受験までちょうど4ヶ月です。
4ヶ月で8くらい伸ばさなければなりません。
この次期に8伸ばすのは至難の業です。
T君は意欲は充分あるので、あとは戦略です。
5年の単元がかなり抜けていたので、これまでの四谷の試験で苦手だった単元をピックアップして、毎週2単元ずつ予習シリーズの練習問題を復習させました。
これが効きました。
塾の勉強は、やや手薄になりましたが、それでいいのです。
勉強は弱点潰しです。
弱いところをなくしていく作業です。
それができれば、55から60になります。
T君は最後の合不合で59。
ほぼ、弱点はなくなりました。
ここまでずいぶん頑張ったと思います。
あとは、立教新座に出る応用問題を克服していく作業です。
立教の問題はなかなかのレベルですが、傾向は明らかなので、対策はしやすいです。
算数の比と割合、立体図形の問題を徹底して訓練しました。
比を自由に使えれば、かなり有利になります。
あとは、組み合わせなどです。
立教新座は第一志望にする子がそれほど多くないので、しっかり対策をとれば、かなり有利です。
T君ほど立教新座の過去問に取り組んだ子はいないかもしれません。
それくらい、トレーニングしました。
結果は、無事合格。
算数は、「簡単だった」とT君が言っていました。
ちなみに、早実と慶應中等部も受験しましたが、こちらはダメでした。
しかし、希望の立教新座に合格できて大満足です。
(栄東中学、東京工業大学大学院修士1年)
- 17.偏差値40から高輪中学合格
- K君は栄光ゼミナールに通っていました。
アタックテストは40前後。
合不合予備テストだと、36でした。
このレベルの子を上げるのは、なかなか大変です。
指導を始めたのは小6の5月。
志望校は高輪中学。
アタックテストで50以上にはしなくてはなりません。
指導では、新演習のトレーニングと基本問題を徹底的に反復しました。
簡単な問題もつまずく子なので、基礎を徹底的に反復させました。
高輪の問題は基礎的なものがほとんどなので、基礎を完璧に固める作業が必要なのです。
新演習の練習問題などは、年末からでいいのです。
トレーニングと基本を完璧に固めるのが何より重要です。
多くの生徒が練習問題に手を出してしまって基本の反復ができないのです。
まずは、範囲を絞って、基本問題を満点取れるようにしましょう。
K君は4ヵ月後の合不合で、45。9上がったことになります。
算数で重要なのは、大問の1と2です。
ここを満点とるのが理想です。
K君は、1問外しましたが、あとは満点でした。
とても良い徴候です。
計算ミスがほぼなくなり、一行問題が固まったわけですから。
そこからは、自宅学習もやってくれるようになりました。
それまでは、サボり癖が抜けませんでしたから。
秋はスムーズに基礎と応用の中間くらいの問題に取り組めて、12月の合不合は51。
これで一安心。
週2回だった指導を、週1回に減らしました。
K君もやる気が出てきて、過去問で解説を見ても分からない箇所を、熱心に聞いてきます。
高輪よりも上の中学も進めましたが、結局、志望校は変わらず。
もちろん、高輪中に合格しました。
最後の偏差値は55以上だったかもしれません。
勉強は上がってくると楽しくなり、やる気も出てきます。
上げるなら、6年の夏までが良いでしょう。
K君は夏前後に偏差値が9も上がったのが、勝因だったように思います。
(上智大学理工学部卒、プロ講師)
- 18.偏差値46、残り2ヶ月帝京大学中学へ
- Yさんは四谷大塚で偏差値46でした。
志望校の帝京大学中学校に30%の合格率でした。
指導は11月末からだったので、残り2ヶ月しかありません。
僕の指導は算数と社会で貯金を作る、というものです。
なぜなら、その2つが短期間で伸びやすく、点差もつく科目だからです。
そこで毎朝、計算を20分、社会を40分勉強させました。
それを、夜にお母さんにチェックしてもらいました。
それが効きました。
朝の勉強と、夜のチャック。
小学生は、チェックされないと本気で勉強しないものです。
ほとんどの子は、真剣には勉強しません。
小学生とはそんなものなのです。
僕も子供の頃はそうでした。
だから、お母さんにチェックしてもらう必要があるのです。
社会はそれだけで十分でした。
毎日40分やれば、中堅校の社会は8割以上とれます。
9割近く行くかもしれません。
僕の担当は算数と理科です。
理科は過去問を見て、出そうな箇所を予想して潰していきました。
算数も過去問を見れば、だいたい問題が予想されます。
帝京大学中学の問題は標準的なものなので、奇問・難問は不要です。
当たり前の問題を、確実に解けるようになればいいのです。
2ヶ月という限られた時間なので、出やすい比や場合の数などを克服していきました。
幸い週2回の指導だったので、ほぼ対策は取れました。
国語に関しては、5年の予習シリーズの練習問題と6年の基本問題をもう一度やらせ、偏差値50前後の学校の過去問をさせました。
国語は、毎日1題解かせるのがポイントです。
そして、問題に出てきた漢字を書けて、読めるようにするのです。
そういった面倒なことを毎日コツコツやれば、中堅校は普通に合格します。
Yさんももちろん合格。
Yさん曰く「最後の2ヶ月で1年分勉強した」とのこと。
勉強はやれば伸びます。
やらなければ伸びません。
合格率が50%未満なら、毎日5時間勉強すればいいのです。
それで、逆転できるはずです。
(桐朋中学、東京大学農学部3年)
- 19.過去問が5割しか取れなかった早稲田中学に合格
- R君の志望校は早稲田中学でした。
SAPIXで55くらいで、偏差値的には届くところにいました。
しかし、10月末に過去問をやってみると5割しかとれません。
それで、家庭教師をつけることになったのです。
R君は単元ごとに真面目に勉強する子で、問題が予想できるとよくできます。
言い換えると、対策をとれば高得点をとれる子なのです。
だから、やるべきことは早稲田中学の問題に似た問題を徹底してやらせることです。
入試問題はパターンです。
こういう問題はこう解く、というパターンがあります。
国語でもそうです。
すべて、考え方は決まっています。
R君は、そのパターンが予想に反すると混乱するのです。
志望校は決まっているのだから、そのパターンを徹底して訓練しました。
早稲田中学の過去問を見るとパターンは明らかです。
どういう発想が求められるか、よく分かります。
そこの訓練に徹しました。
算数と国語をみたのですが、週1回(3時間)の指導で十分でした。
3ヶ月あれば、1校の対策は週1回で十分です。
しかし、これはR君は基礎ができていたからでしょう。
基礎が抜けている子の場合、3ヶ月では時間が足りないでしょう。
偏差値自体が届いていない場合、夏前から対策をとるのがいいと思います。
R君は1回目の受験で早稲田中学に合格。
かなり余裕を持って合格したはずです。
算数はもちろん、国語こそ過去問対策は重要だと思います。
一般に国語の問題は、出題傾向に著しい特徴があります。
記述の割合や、記述の字数、また選択問題も特徴があります。
こう問われると分かっていれば、こう答えるという訓練ができます。
国語こそ、過去問対策をしっかり行ってください。
かなり点差がつきます。
(開成中学、東京大学文科Ⅰ類2年)
- 20.小6から受験を始めて大妻嵐山中学合格
- Tさんは小6の5月から中学受験を始めました。
それまで受験勉強はやっていませんでしたので、私が週に4回家庭教師に入ることになりました。
算国週2、算理週1、算社週1、という内容です。
算数に4回入れたのが良かったです。
計算からつきっきりで教えることができたからです。
Tさんは学校の勉強が平均くらいの子なので、とにかく約分・通分から訓練しなければなりませんでした。
とにかく算数に苦労しました。
しかし、基礎を焦らず固めていって、夏前には5年の単元が終わり、8・9・10月で全範囲終わりました。
10月の合不合は、40。
志望校の大妻嵐山にはやや不足といったところ。
ここで焦ってはいけません。
私は、これまでやってきたことを、11月の1ヶ月間で、一気に復習させました。
基礎の抜けを補ったのです。
親御さんは過去問をやるようにとおっしゃっていましたが、私はやらせませんでした。
過去問にはまだ早いと思ったからです。
この1ヶ月が良かったのだと思います。
12月の合不合では46。
この1ヶ月での6ポイント・アップは自信になったようです。
12月半ばからは過去問対策。
だいたい合格最低点以上取れていました。
結果は、もちろん合格。
とにかく計画的に、基礎の基礎を固めていく。
それをやれば、1年でも中学校受験はできます。
ちなみにテキストは、予習シリーズ、ベスト(メモリー)チェック、4科のまとめなどです。
(開智中学、早稲田大学政経学部1年)