算数が苦手な子・伸びない子

1、ひたすら問題を解けば伸びると思っている

とりあえず問題を解かなければと、やたらと問題量を増やそうとすることが多いです。
もちろん問題量は少ないよりも多い方が良いに決まっています。
しかし、何も考えずにやみくもに解くのは、公式を覚えてあてはめる作業でしかありません。

ただ問題を解く、いわゆる作業は10問で十分です。
そこから先は問題量よりも、理解を深める作業が必要になります。

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そのためにはどうすれば良いのか?
問題数を減らしてでも、「公式を当てはめるだけでは解けない問題」を、なぜそう解くのか「解く仕組み」を理解することが重要なのです。

しかし、それはなかなか小学生一人でできることではありません。
だから、ほとんどの子は問題をひたすら解くことに終始するのです。

算数の成績の良い子は「公式を当てはめるだけでは解けない問題を説く仕組み」を知っています。

それは、問題を解きつつ、どう解くべきかを深く意識しているからです。
出題者は公式を当てはめるだけでは解けない問題をあえて出題します。
解いた問題量がいかに多くても、どう解くべきかを深く意識せずに解いてきた生徒は応用問題に歯がたちません。
問題量はほどほどにし、応用問題を解く思考力を訓練する必要があります。

 

2、「解説を読めば解き方を覚えられる」と思っている

問題の解き方は例題や解説に書いてあります。
ほとんどの中学受験生がそれを読んで勉強しているはずです。
しかし、現実には成績の良い子と良くない子に分かれます。
なぜでしょうか?

公式を覚えていない子は論外としても、偏差値50の子と60の子の違いは何なのでしょう。

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上で述べたように、単に問題量の違いではありません。
成績の良い子は、「注目すべき点」を知っているのです。
「速さと比」を例にすれば、「速さ・時間・距離のうちの、どれが一定か」に注目すれば、問題は簡単に解けます。

偏差値60の子は、それを知っているのです。
解説を読むと、解くプロセスを書いてはいますが「注目すべき点」があいまいになっているのです。

偏差値50の子は、その点に気がつけないのです。
中学受験の算数を伸ばすには、「注目すべき点」を徹底して叩き込むという姿勢が求められます。

中学受験は算数で決まる」と言われます。
確かに、もっとも得点に差がつくのは算数です。
「注目すべき点」に気づけるようになれば、算数こそ、もっとも短期間に伸びる科目なのです。

 

3、自分の考え方を変えられない

私の教え子には、算数の偏差値を実際に20近く上げた生徒がいます。
たとえば4月に指導をはじめたとき偏差値が39だったDさん(栄光ゼミナールに通塾)が、翌年の4月に57(首都圏模試)をとりました。
また、9月に偏差値が41だったS君(早稲田アカデミーに通塾)が、半年後の4月に57(合不合予備テスト)をとっています。

しかし、この生徒たちに特別な才能があったとは思えません。
特別な勉強法を教えたというわけでもないのです。

ただ一つ考えられることは彼らが皆、素直で真面目な生徒であったことです。
ここで言う素直で真面目とは、「教わったことを信じて実行しつづける」という意味です。
DさんもS君も、初めは公式もろくに覚えていないという有様でした。
算数が苦手なお子さんに共通するのは、自分の考えにこだわる子です。
算数の成績を上げる近道は「公式を確実に覚える」ことです。
成績を順調に伸ばしている子は、柔軟性があります。

算数が苦手なお子さんは、自分のスタイルを変えようとしないことが多いです。この頑固さは中学受験においては「百害あって一利無し」なのです。

もちろん偏差値を55以上にするには応用問題も解かなければなりません。
上記の「解く仕組み」「注目すべき点」も先生から謙虚に学び取るものなのです。

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4、すぐに結果を求める

すぐに結果を求め、良い結果が出ないとやる気をなくす子が少なからずいます。
模試の結果に一喜一憂してはいけません。
「模試の結果は良くて良し、悪くてさらに良し」なのです。
結果が悪いのは、入試までにその弱点を克服するようにと教えてもらっているのです。
「本番前にそれに気づかせてもらえてありがたい」と受けとめることです。
模試は練習試合にすぎないのです。
そこから何かを学ぶことが重要なのです。

算数は他教科と比べ単元が多いだけ、時間がかかります。
計算の速度と正確さを高める必要もあります。
目先の成績にとらわれず、教わった通りのことをコツコツとこなし、学力のピークが受験当日になるようにしたいものです。
そういうタイミングを見計らって指導していくのが私ども家庭教師の役割なのです。
そして、その時までお子さんと親御さんが辛抱できるかが重要です。

昨年、何度か挫折しかけながらも、小6の7月に50だった算数の偏差値を入試直前に61にまでもっていき、見事に学習院女子中学に合格した生徒がいました。
その子は同時に、忍耐力も身につけたはずです。
それは今後の人生の支えになるでしょう。
すぐに結果を求めたり、あきらめたりする人は何も得られないのです。

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